バスケットボール指導の体系化を目指すCoaching Labのメインコンテンツ『Nメソッド』
コーチング実践の体系化
01 チーム経営・チームカルチャー
チームを指導する上で最も重要なのが「チーム経営者」という視点です。特に若い指導者はこの視点が抜けていることが多いので「頑張って教えても強くならない」となってしまいます。スキルのある人材がいても経営が悪ければダメになる。過去の日本企業をみていると明らかです。
- コーチング実践とは「チーム経営」ー企業の経営方法から学ぶ・専門知識だけを教えたいならAC/スキルコーチ
- もっとも重要なのはスキル指導ではなく、チーム作り
- チームは①関係の質②思考の質③行動の質④結果の質
チームの良し悪しを決めるのは「チームカルチャー」です。良いチームカルチャーが構築されないと良いチームが継承されません。良いチームが出来上がった翌年1回戦負け、ということが起こってしまいます。
- あなたが構築したいチームカルチャーはあなたのコーチングフィロソフィーから導かれる。
チーム指導する前に自身のコーチングフィロソフィーを確立する。
コーチングフィロソフィーの体系化
- チームカルチャーの設定(選手のや学校地域の風土とも関係)
- 良いチームカルチャーは勝手に出来上がることはないし、時間と共に劣化していく(仙台育成野球部)
02 バスケットの全体像を創る
自身のコーチングフィロソフィーを確立できたら、次は指導の優先順位を決めましょう。それらによってチームの全体像が浮かび上がります。
- コーチングフィロソフィー・制約条件の確認(全てを教えることはできない・こちらが想定しているよりも時間がかかるということを念頭におく・メンバー/環境の制約・各年でなるべく大きくぶれないもの・制約を恵みに変える・)
- ゴールとKGIを明らかにして、優先順位を考える(野洲高と石山ではゴールが違う。よって教える順番や方法は違う・チームの良さと勝利はある程度比例する)
- やらないことを決める(これを決めておかないと迷走する)
- プレーモデルの作成・コンセプトメイキング(具体化・落とし込み)
プレーモデルについては、プレーモデルの体系化で詳しく書いています。
- オフェンス指導の考え方-チームOF全体から部分へ。(ベースとなるコーチングフィロソフィーは?・各年でぶれないようなベース)
- モーションオフェンスを作ろう(プレーモデルに準拠しているか)
- モーションオフェンス構築の手順
- モーションオフェンスをチャンクしよう
- 何のためにPNRをする?何のためにカッティングする?(プレーモデル(バックカットのメリットデメリット)・アドバンテージを得るため)
- アーリーオフェンスを作ろう
- なぜ速攻をだすのか(アドバンテージを得るため(どこからをアドバンテージとみなすのか(アドバンテージの解像度・共通認識)-プレーモデル)・プレッシャーリリースの側面もある)
- モーションオフェンスへのつながり(ファストブレイク→アーリー→モーションOFが一連となっていること)
- プレッシャーリリースを教えよう
- 試合のために練習がある(プレッシャーで試合で使えなければ意味がない)
- エントリーを豊富に、こだわろう
- Set・BLOB・SLOBは大切
- チームDF全体から部分へ(コーチングフィロソフィーと合致・ベースの部分は各年でぶれない方が良い)
- チームディフェンスのルールを作ろう(プレーモデル準拠・役割分担・狙い・モデルチームを見つける)
- スペシャルディフェンスを計画しよう
- オールコートプレス
- ハーフコートプレス
- ゾーンDF
ここで設定したバスケットの全体像をどのようなチーム運営方法で、どんな練習で完成させていくのかがコーチング実践ということになります。
03 年間指導計画を立てる
全体像が見えてきたらそれに合わせた年間指導計画を立てましょう。これをせずに練習を始めると行き当たりばったりな指導になってしまいます。
- オフェンス回数=ポゼ+OR-TOV
- FG%・OR率・TOV率・PPG
- 積み上げ式と螺旋式(基本は螺旋式を重視)
- MTMメソッドで練習を作る
- 試合のフィードバックから(パレートの法則(8:2の法則)で重要な2割に時間を割こう)
- 選手自身が必要だと感じている練習を取り入れる
- 部分から全体を構成するのではなく、全体から部分を切り出す(全体像を先に提示して理解してから部分練習に)
- オフェンスの方が時間がかかることを前提に(脚力とハートは作っておく)
- 試合に勝つには結局ディフェンスが重要
- 守破離
- 年間やりたいことリスト
- シーズン別メニューリスト
- 月間メニューリスト
04 練習計画
ここでは1回の練習全体の計画や構築ポイントを体系化します。
- 質か量か
- 質×量。長時間練習のまま質を上げることは困難。質を保ちながら練習を伸ばす
- 練習をしたいのは選手かコーチか。選手が練習したいと思うから練習時間を伸ばせる
- 質の高い練習メニューとは?メニュー以外が大事(練習と練習の合間(Richmond大学の練習映像)・集合挨拶返事・準備後片付け・順番待ち)
- 質の高い練習内容とは?(取り組みの強度・練習内容の負荷)
- 練習時間(1.5H〜2H+αシューティングやトレーニングなど)
- 練習を3分割で考えよう(ファンダ・テーマ・モーション/スクリメージ)
- 一回の練習トータルでの身体的負荷を確保する(強度を調整するメニュー・タバタなど。心拍数180)
- シュートの量を確保する
- 大切なのは5v5(ゲームだと途中で止められないのがデメリット・スクリメージはご褒美)
06 練習指導実践
ここでは一つの練習ドリルをどのように指導するかその実践方法を体系化します。
メニュー:一回練習で行うドリルのセット
ドリル:一つひとつの練習内容
という区別をここではしています。なので例えばスクリメージ(ゲーム形式5v5)などもここでは「ドリル」に分類されます。
- 全体像(5v5)からドリルに落とし込む(パスのドリルはない、◯◯のときに使うパスのドリル)
- 練習のポイントを明確にする
- ドリル作成チェック項目(B級講習)
- 運動強度
- 運動難度
- 判断要素
- ルール・制約
- 状況設定
- タイムプレッシャー
- 競争要素
- 失敗のデザイン
- トレーニングの8つの原則
- 過負荷の原理
- 可逆性の原理
- 特異性の原理
- 全面性の原則
- 漸進性の原則
- 個別性の原則
- 継続性の原則
- 意識性の原則
- ゲームシチュエーションドリル(ラストミニッツ・クイックヒッター・ショットクロックを意識したDF)
- SDDLメソッド(フォーメーションだけじゃなく、シュートドリルなどでも同じ-コンテストなど)
- 余白をデザインする
- ドリルのはじめ方・ドリルの終わり方(R、セーフティ、速攻、ハリバック)
- ドリルの順番待ち-見ることも大事
- 付随スキルにこだわる(フィニッシュ・パス・デスマルケ・視野)
- ドリル実践の流れ(オープニング → ボディ(実践・コーチング・発問)→ クロージング)
- オープニング:目標共有・指示
- ボディ:練習実践
- ボディ:コーチング(シンクロコーチング・フリーズコーチング・評価(フィードバック))
- ボディ:コーチング2(発問-クローズドクエスチョン・オープンクエスチョン4種類))
- クロージング:振り返り・評価(次の練習計画に活かす自分のための評価)
- 全体の練習の目標から振り返り、各ドリルの目標から振り返り-フラクタル構造
07 指導者の役割
- ティーチングとコーチングの違い(ティーチングが悪というわけではない)
- 選手の主体性を育てるためのコーチング(主体性と自主性の違い・コーチングとは・参考書籍・プレイヤーセンタードコーチング)
- コーチングの3本柱(傾聴・質問・承認、実践は発問の記事)
- 育成年代のコーチング(未熟であるほどティーチングが必要に)
- 主体性を育むために選手に裁量をもたせる(ボトムアップ的要素)
- リーダー(“コーチング”ここに含まれる)・コーチ(専門指導。私たちは自己啓発を求められて”コーチ”を任されているのではない)・エデュケーター全てを含む存在が「指導者」
- リーダーとしての指導者(企業経営マネジメントから多く学ぶ・数字で語る・チームマネジメント・ACとの関係・リーダがすべきこと1役割りの明確化2役割り共通認識3役割り意識の形成4権限の委任・仕事を任せて指導、評価する・新しいことに挑戦させる-工夫させる、自己管理させる・人はベストを出していると思っている-課題の具体化、見える化)
- チームを崩壊させないための5つのコーチング実践(https://www.youtube.com/watch?v=t0kEkvngBv4)
- コーチとしての指導者(専門性の追求。コーチングスキル・ バスケットの知識・チャンク・見る目・学び続ける・バスケの体系化)
- エデュケーターとしての指導者(実は人格を磨くことが1番の近道(指導者も選手も)・今の時代に求められているのは教育者・バスケットで人生を豊かに・)
08 チームの運営方法・育成方法
- 大切なことは成長すること(やることが目的ではない・成長が全ての源泉(ウメハラ))
- 目標設定(目標設定が一番大切。チーム最終目標、中期目標、短期目標、試合の目標、練習の目標フラクタル)
- チームの第一は「関係の質」(人間関係が1番のベース(バリューズカード・EG性格診断))
- チームの目標・課題は数値で測る(試合ごとのスタッツ・KGI、KPIの設定)
- KPIの設定 :目標(Goal)→ KGI → CSF → KPI (KPI実践ノート)
- 成長メソッド:PDCAサイクル(成長に必要なメソッド・大PDCA中PDCA小PDCAフラクタル)
- 選手に考えさせ、実行させ、振り返りをさせる。
- 選手自身が気づき選手自身が改善していくコーチング:発問(クローズドクエスチョン・オープンクエスチョン4種類)
- 振り返りと評価(映像で・振り返りのフォーマット作り・Good/Bad/Next・各数値(データ)での振り返り・試合後すぐのKJ法・評価方法-結果評価プロセス評価(Rを取った本数、Rに行った回数)・出場時間を考慮-率で考える・相手のレベルを考慮)
- 改善/成長(数値を改善させる・具体的な改善策(1日シュート200本など)・特性要因図による具体化・)
- ミーティングの重要性(映像・ミーティングフォーマット・課題発見・言語化具、体化、すぐに明日の練習が変わるように・やった気になるミーティングでは意味がない)
- 守破離
チームが良くなるための重要な力
戦術・スキルを教えてもなかなかチームがよくならないという場合の処方箋です。
戦術・スキルをいくら教えても自分のチームが強くならない理由
頑張って教えても強くならないということの原因を探ってみます。
- 戦術・スキルというのは表象的な力。根本原因とは?(プレーモデル・強度・バスケットIQ)
- 強みを作る。一点突破。全部教えて何もできなチーム
- 西洋的(科学的)アプローチと東洋的(経験的)アプローチについて(理論→実践・実践→理論)
- 必要なことだけを教えてもうまくはいかない理由(ボクシングのラッシュ・系の考え方・ネットワーク理論・体系的に教える・複雑系)
- 結局は脚力とフィジカル(コンタクト)と強度
- 教えている内容の難しさと選手のレベルは合っているか(学校によって教科書は変わる・KISSアプローチ(何がシンプルかはチームのレベルによって変わる)理想のバスケットが爺チームにとって最適なバスケットとは鍵いらない)
スキルより大切な選手・チームが良くなるために重要な3つの力
戦術・スキル指導よりも大切な根本的な力です。
戦術・スキル指導で行き詰まったらこちらの力を振り返ってみましょう!
- 気付きの力(アンテナの感度・全ての源・これを向上させるプログラムを考える・3S活動・バトルスタディーズ付き人制度・思いやり)
- 準備の力(準備の失敗は失敗の準備・何を準備したか考えさせる・その場だけ頑張っていないか・練習や試合だけ指導してないか)
- 感情の力(何を×どんな気持ちで・人は感情で動く・最後は気持ち・コーチのファイト・信じたものしか力にならない)
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バスケットボール指導の体系化『Nメソッド』 とは?プレーモデル【原則の体系化】
#03プレーモデルの体系化