バスケットボールの体系化とは?
多くの指導者の悩みと日本のバスケットボールの課題
私の10年間の指導者としての悩み
日本には、どの年代も熱心な指導者がたくさんおられます。24歳で初めて指導者となった私も、最初から「熱心な指導者」でした。
そこから約10年チームも変わりながら、指導しました。
その間、多少の浮き沈みはありながらも「熱心な指導者」であり続けていたと思います。
失敗をくり返しながらもその経験を活かして改善し、それなりに成果を感じたこともありました。
しかし、10年やっても思うようなチームが作れない。
思うようなチームというか、私が胸に思い描く「理想のバスケット」がコート上で展開されそうな気配がない。。
それが実行できる選手が育成できている気がしない。。
私の経験や分析から、「こんなバスケがしたい」「こんな選手になってほしい」とう漠然としたイメージはあります。
でも現状のチームはそんな風にはなっていないし、今の延長線上にそんなチームがあるような気もしない。
でもそんなに悪いチームではない。普通の平々凡々なチームは出来ている。
でも何かが違う。
私ははっきりいって「熱心な指導者」だ。バスケの研究もセミナーも書籍も”普通”の指導者より勉強しているし、身銭も切っている。
その結果、少なくとも年々自分のバスケットの知識を深まっているし、練習メニューの引き出しだって増えている。
クリニックやセミナー、Youtubeで見て良いなと思ったメニューを取り入れて、改良したり実際に良いなと思ったものだけ精選もしている。
ただ何も考えず、真似しているだけの指導者じゃない。
なのになぜ「普通のチーム」なのか。
深まっていくのは自分のバスケットばかりで、それに比例してチームのバスケットが変化していく兆しがないのはなぜなのか。
確かに、メンバーが揃ってるワケじゃない。そのせいにして逃げたい気持ちも無いわけじゃないけど、じゃあ来年たまたまメンバーが揃ったら「理想のバスケ」が展開されるようになるのか?
答えは自分でわかっていました「NO」です。
もちろん良いメンバーが揃えば多少試合には勝てるだろう。だって今でも「普通のチーム」なんだから。メンバーが良ければ、その他の普通のチームには勝てる。
でも多分「理想のバスケ」が展開されない。
つまり、原因は間違いなく私の指導なのである。
そして傲慢ではあるけれど、間違っているのは多分「私のバスケット」ではない。「私の指導」なのだ。
今、私の中にあるバスケットをチームに伝えられていない。チームが遂行できるようになるような練習ができていないんだ。
仮に「私のバスケットが間違っている」としても、それがわかるのは少なくとも私のバスケットがコート上で展開されてからだ。
でもどうやったらそれが叶えられるのか、それは私には分かりませんでした。
その悶々とした気持ちと、もがきが私の10年間でした。
きっと多くの熱心な指導者は同じ悩みを持っているのではないかと推察します。
Coaching Labはそのような指導者の方に必ず役に立つと確信しています。
でも実はみんなわかってない
私のバスケットをどうやって練習を通じて選手に伝える(仕込む)か。
それを教えてくれるようなセミナーや書籍は私が読んだ範囲ではありませんでした。いや、もしかしたらあったのかもしれません。しかし少なくとも当時の私の頭では、どの資料からもそれを感じ取ることはできませんでした。
もちろん、例えば
激しいプレッシャーのDFがしたい→こんなドリルがある
このドリルにひたすら時間をかけてできるようになるまでやるんだ!
こういう解決策はいくらでもあります。
「それでやりたいバスケットが出来ているじゃないか」
確かにそうかもしれません。でも私の思っていた問題感とは違うのです。
このやり方は、確かに断片的に(この場合はプレッシャーDF)はできるようになるのですが、例えばオフェンスは(私の経験上)上手くならない。
結局オフェンスは「元々できるやつ」がいるかどうかになってしまう。これでは
私の抱える悩みはそのままなのです。
私は端的にいうともっと「バスケットの上手い選手・チーム」を育成したいのです。ある特定プレーが上手くなってもそれがそのまま「バスケットが上手い」とは私はあまり感じないのです。
そういう観点で他チームを見てみると、実は上位チームでも「バスケットの上手い」と感じるチームは多くはないのです。
つまり、結局、実はみんなわかってないんです。偉そうな顔して教えている指導者も。そう感じていました。
一方で、チームが変わっても毎年良いチームを作る指導者も少数ながらもおられます。
どこに行っても「◯◯先生のチームだなぁ」と感じさせるような良いチームを作る指導者が。
で、そういう方に話を聞いたり、そういう方のセミナーを受けても、結局いうことは他の指導者と同じなんですね。不思議なことに。
「うちは◯◯を大切にしているから、△△の練習をしている」
という感じです。
でも当時私が感じていたのは、良いチームを作る・勝つチームを作っている指導者は
何を、どんな風に、どれくらいやれば、どうなる
という経験に基づく、蓄積があるんだ。いわゆるメソッドですね。
それがわかってるから、どのチームに行っても同じとりあえず同じようなことをちょっとチューニングして教えたら同じようなチームができる。
私は勝たせた経験がないから何をするにも暗中模索、五里霧中なのだ。
(実はこの気づきは体系化につながるかなり核心的なものでした)
じゃ、良い選手が来るから強いチームができるのか、強いチームだから良い選手が来るのか、の「ニワトリタマゴ問題」と同じで、良い指導者がチームを勝たせるのか、勝った指導者が良い指導者になっていくのか。
そうだとすると、まずはリクルートができるような学校へ行き、選手を取ってまず先に勝つことをした方が良いのか。
でも私はそれはしたくない。
とにかく、周りを見渡しても答えはありそうにないということだけははっきりとわかってきました。
つまりこれは「日本のバスケットボール界の課題なんじゃないか?」とも思うようになりました。
課題は根本的なバスケットIQ
上記のように私の指導の課題は五里霧中でしたが、とにかくオフェンスの方が問題でした。DFは時間をかけて練習して頑張らせれば多分それなりにはなる。
日本のバスケを見ていてもやはりDFは良い。海外より足は動くし頑張る。でもオフェンスが下手。
「私の理想のバスケット」とは、なかなか言語化は難しかったのですが
選手個人としては相手を見て判断(後出しジャンケン)し、チームとしてはその判断に連動して他のプレイヤーが連動して動くようなもの。
端的にいうと
5人の動きが一つの生命体のようになっている
ものです。
時系列的には前後しますが、現在で言うとナゲッツやウォリアーズのバスケットは本当にそのように感じさせます。まさに理想のバスケットです。
例えば、「PnR」とかを一生懸命教えても関連している3人はオートマチックに動けるようになっても、他の2人は何をしたら良いかわからない。
良くて邪魔しないように広がっている、という感じで「5人の動きが一つの生命体のようになっている」指導が出来そうにない。
確かに「〇〇のときは△△」方式(いわゆるモーションオートマチック)である程度指導は出来ますが、細かなこと言い出すとパターンは無限になるし、そもそもその細かな差が選手自身の解像度では把握できないので、選手「さっきはこういってたやんけ。理不尽やな」と感じます(実際には何も矛盾しておらず理不尽なこともないのですが)。
むしろ大切なのは、無限のパターンを教えることではなくて、むしろその細かな差が感じ取れるようなものの見方、センサーの解像度を上げていく方だ。
スキルパターンではなくて、その根っこの部分が身につけば、対応はある程度教えたらあとは選手が最適解を導けるはず。
そういう判断力、バスケットIQを高めることが私の「理想のバスケット」に近づくはず。
5人全員がそうなれば、1つの動きに対して状況を把握して自分がどのように動くべきか考えて全員が連動するような5人の動きが一つの生命体のようになっているようなオフェンスができるに違いない。
具体的なスキルじゃなくて、もっと根本的な考え方みたいなものを教える必要があるに違いない。
私の課題は10年を経てこのように明確なものになっていました。
余談ですが、このように「具体的なスキルよりも抽象的な根本の力」を身につけさせるのが課題というのは私の専門の数学にも全く同じことが言えます。
私がこのような課題感をもったのは数学とは切っても切り離せないものです(そもそも全ての私の思考が数学とは切っても入り離せないものですが)。
同じように全ての指導者にとって、バスケ指導とその人のバスケ以外の大切なものは絶対にリンクしています。それが指導者の個性です。その辺のこともCoaching Labでは体系化しています。
転機となる2つの出会い
理想的なバスケット、StanfordのPrinceton offenseと出会う
課題は明確になっていたのですが、解決策は相変わらずさっぱり分かりません。
何をすれば根本的な力が身につくのか。
どうも日本のバスケットボール界では、その根本的な力は指導によって養われているのではなく、力のある選手がバスケットボールしていく中で勝手に気づいていっているような気がします。
だからどのチームも1、2人はそういった選手がいるんですけど、5人がそういうチームはほとんどない。
じゃあ、多分海外を見た方がいいのかもしれない。
見るなら当然NCAAだろう。
そこでYoutubeで見られるNCAAの試合を見ていきました。そう思ったのがちょうどマーチマッドネスの時期だったので見られる動画はたくさんありました。
そこそこ試合を見て、確かに上手い。「5人がバスケットをわかってる」チームばかりだ。でもどうも真似できそうにはない。
やっぱり真似するなら女子の方かな。
そう思って早々に女子の試合を漁り始めました。
そこで出会ったのがStanford Cardinalsのプリストンオフェンスでした。
元々「プリンストンオフェンスは個々の判断力が大切で高いバスケットIQが要求される」とか、数年前に試合の相手にたくさんバックカットを決められて、試合の後にコーチに聞いたら「プリンストンオフェンスだ」と言われたことなどもあり、以前から興味がありました。
そしてピートキャリルさんの解説DVDをたまたま持っていた知り合いのコーチに借りて見たこともありました。
でもそのときはピンときませんでした。
DVDでは決まった動きの解説が多く、ある意味「セットオフェンス」の解説をしているような感じで、数あるセットオフェンスの中の一つのような印象を受けたからです。
セットオフェンスなら日進月歩のバスケットでこんな古いものを取り入れる必要もないなぁ。
こんなふうに思っていました。
しかし、実際にプリンストンを緻密に遂行しているStanford womenの試合を見たら感動しました。
ある種、ワンパターン的にも思われる同じようなモーションを使い、読まれるんだけど読まれたら的確な判断でバックカットで裏をとる。
スクリーンなどのパターンを囮にしてボールマンが1v1を仕掛ける。
「ああ、プリンストンはセットオフェンスじゃないんだ。これがモーションオフェンスか」
と分かりました。
またプリンストンだけでなく、Stanfordは多彩なHorns setでプリンストンにアクセントをつけ、その中には「個の特性」を生かすものが多く個が消えると言われるプリンストンオフェンスを見事に補完していました。
まさに私の「理想のバスケット」がそこにあったのです。
そこから、私はYoutubeで見られるStanford womenの試合は全て見て、クリップを作成。クリップと共にパワポで図を書いてまとめました。
同時に一般的なプリンストンオフェンスももう一度ちゃんと勉強しました。以前プリンストンに興味を持ったときから5年くらい経過していたので、その間にYoutubeでプリンストンの解説動画もかなり増えていたので、学びやすかったです。
そしてその年のチームからプリンストンオフェンスを教え始めました。
もちろん上手く行かないこともたくさんありましたが、間違いなく言えることはフリーオフェンス(に近い簡単な約束事だけを決めたオフェンスを含む)をしているときよりも格段に判断が良くなったと言うことです。
これは多分次に何が起こるかがわかっているので、共通認識ができていることと、その準備をしやすいことが大きいですね。
さらに5v5の完成系が提示されているので、2v2や3v3の部分練習をしても選手が5v5の中でいつどんなときの練習かがはっきりとイメージできることで、練習と試合がつながるので練習でできるようになった判断がそのまま試合につながるためだと思います。
StanfordのPrinceton offenseによって今まで、五里霧中だった私の指導に一筋の光が差し込まれたようでした。
今まで、自分がやっていることの延長線上に自分の「理想のバスケット」が無いような気がするというところから
プリンストンオフェンスを極めていけば、その延長線上に自分の「理想のバスケ」がある。
そのような気持ちを持つことができるようになりました。私にとってこれはものすごく大きなことでした。
とにかくプリンストンを深めていこう
そう思って進んでいきました。
ボトムアップ的な指導方法と岡田メソッドと出会う
ちょうどStanfordのPrinceton offenseと出会ったその時期にもう一つの出会いがありました。
私はとにかく何かヒントがないかとひたすら探していました。
その一つに三原学先生のYoutubeラジオがありました。
三原先生のYoutubeラジオでは、私と同じような悩みが取り上げられていたり、スキルなどの解説と言うよりかは考え方の部分を取り上げられることも多く、非常に参考になりました。
そのラジオの中にボトムアップの話が出てきました。
当時とにかく「今の自分の指導の延長線上に理想のチームがない」と言うのが根本の課題でしたからチーム運営についても別の方法をとった方がいいのではないかと言うことも考えていて、それにボトムアップが刺さりました。
私のバスケットの恩師はどちらも「ファイト」のある指導者でとにかく指導者のファイトで選手にやらせる。やらないやつもやらせる。そんなことができる方でした。
でも自分は無理だ。真似してみたこともありますが、3日くらいで憔悴します。やらないやつをやらせて嫌われるのも耐えられません。
なぜ選手のためにやることで選手に嫌われなといけないのか。
選手も最初はついてきますが、だんだんと雰囲気も悪くなってきます。
「このやり方は絶対私には向いてない」
これが結論でした。
「30にして立つ」です。
恩師のやり方は私には真似できない。30歳ごろに私はそう確信していました。でも他の方法もわからない。
そんなときに「ボトムアップ良さそうだな」そう思い勉強を開始しました。
そうしてボトムアップを勉強していた時期に、東京オリンピックが開催。女子が銀メダル。
日本女子のバスケットは大好きでした。常にハードワークとファイト、役割と徹底。日本女子代表も私の理想のチームに近いものを感じていました。
そんな女子バスケットの次は恩塚氏に決まりました。
ボトムアップ=選手主体のチーム作り
を勉強し出したときに恩塚氏にも行きつきました。選手主体のワクワクが原動力となるバスケでチームを勝たせる。まさに私がやりたいことです。
渡りに船ではありませんが、私が生徒主体のチーム運営に興味を持ち始めたタイミングで恩塚氏が代表のHCに。これは楽しみでしかない。
そう思って恩塚氏の就任会見をYoutubeで見ました。
そこでまた衝撃です。
「私と課題感が全く同じ。やりたいバスケ像も全く同じ。」
私は正しかったんだ!じゃないですが、私の感じていることはとりあえず間違いではなさそう。この私の感じている課題を解決できれば、それは日本のバスケ界にも(私の半径1kmくらいでは)貢献できそうだ。そう感じました。
そしてその会見の中に恩塚氏の解決策として「原則作り」があり、それはサッカーの岡田監督の「岡田メソッド」からきているとの発言がありました。
私のやりたいバスケットと同じバスケを目指している恩塚氏が参考にしたという『岡田メソッド』これはすぐに読まなければいけないと感じその場でアマゾンでポチりました。
岡田メソッドの衝撃
届いてすぐに読みました。
これはStanfordのプリンストンオフェンスと同じかそれ以上の衝撃が走りました。
ページをめくるごとに
「これだ、これだ、これがやりたかったんだ。バスケットも全く同じじゃないか」
と目から鱗。これがあればきっと具体的なスキルじゃなくて、もっと根本的な考え方みたいなものを教えることができる。バスケットが上手い選手を育成できる。そう確信できる内容でした。
その日から私の目標は、「バスケットボール版 岡田メソッド」を完成させることになりました。
岡田メソッドではっきり見えた私の指導の問題
岡田メソッドを読んだことで、自分の指導の何がダメだったのかがはっきりと分かりました。
それは
自分のバスケットボールの考え方や知識が体系化されておらず、したがって指導も体系化されいない。極端な言い方をすれば「行き当たりばったり」な指導だったんだと。
行き当たりばったりなんだから私の「理想のバスケット」に辿り着けるはずがありません。
そもそも私自身が私のバスケットボールの知識を体系化して整理ができていなかったわけです。
だから大切だと思っていることでも、それをいつどこでどんな練習で伝えるのかが明確にはなっておらず、たまたま選手のプレーにそれが出現してきたら練習中に止めて説明するみたいな感じでコツみたいなものを伝えていたんですね。
逆に言えば、もしそれが出現してこなければ、伝えることもできなかったりするわけです。
もちろん「行き当たりばったり」といっても年間の練習計画や練習メニューはちゃんと考えていました。それは例えば
新チーム始まったらまず基礎が大切だから、基礎から。パスの基礎練でトライアングルパスをやろう。ある程度やったら、動きのあるスクエアパスをやって・・・みたいな感じですね。
それは体系化ではないんです。
そもそも
- パスのファンダメンタルって何なのか
- そのパスは試合のどの場面でどんな目的で使うパスなのか
- チームではどのパスが一番使用回数が多く重要なのか
をきちっと優先順位をつけて整理することが体系化なのです。
きっと、「パスで大切なことはなんですか?」と聞かれたら多くの指導者は答えることができるでしょう。
でもさらに「それで漏れはありませんか?」と聞かれたときにどうでしょう。
「いや、そういえば◯◯も大事だな」とか
「うーん他にもある気はしますけど、パッと出てきませんねぇ」
となってしまいませんか?それがまさに以前の私です。これが体系化できていなということなんです。
そしてこれがたくさん勉強した熱心な指導者が陥ってしまうことなんです。
たくさん勉強したが故に、「大切なこと」が断片的に増えて自分で整理できていないのです。
プレーモデルで体系化すると
「私が大切だと思っているのは、コレとコレとコレ、以上」と明確に言えて
「例えばコレとかは大切じゃないんですか?」
と言われても、「大切かもしれませんが、今のウチのチームで考えると優先順位は低いので、教える要素の中には入りません」
とはっきり言うことができるのです。
そして身につけさせたいことがハッキリするので、どの練習メニューが必要かも明確になります。
例で言うと、ボールマンDFを考えたときに優先順位として、OFとの位置関係や駆け引きが私にとっては大事な要素だと考えているのでいわゆる「DFフットワーク」の練習はやめてまず大人の練習から始めるようになりました。
使うフットワークもスライドよりもクロスの方を重視して練習しています。
それまではなんとなく
DFの基礎=DFフットワーク
DFフットワーク=スライドから
みいたいな自分がやってきた練習や固定観念で、「DFの基礎練はスライドのDFフットワークから」と練習していました。
そもそも、体系化した結果オフェンスでは「1番の基礎」がプリンストンオフェンスになったので新チームの基礎練は5v5からやっています。
このように私の「理想のバスケット」をしっかり体系化したことで、体系的に練習で身につけさせることがある程度できるようになりました。
結果を出している指導者は無意識に体系化していた
岡田メソッドによって体系化というフィルターが手に入った私が改めてこれまで感じていたことを振り返ると腑に落ちることがありました。
先に書いた
良いチームを作る・勝つチームを作っている指導者は
何を、どんな風に、どれくらいやれば、どうなる
という経験に基づく、蓄積があるんだ。いわゆるメソッドですね。
それがわかってるから、どのチームに行っても同じとりあえず同じようなことをちょっとチューニングして教えたら同じようなチームができる。
私は勝たせた経験がないから何をするにも暗中模索、五里霧中なのだ。
と言うのが、まさに体系化なのだと気づきました。
勝って経験が蓄積している指導者はその経験から、まさに何をやるべきか(また何をやってもあまり効果がないか)という優先順位がハッキリ整理されているのです。これは体系化に他なりません。
岡田メソッドのように「体系化」ということにフォーカスして意識化していなくても無意識に体系化されていたのです。
だから、チームが変わっても同じようにチームが作れる。
「普通のチーム」じゃないその指導者のチームが作れていたわけです。
バスケ版 岡田メソッドを作る
バスケ版 岡田メソッドを作る。
それが私のミッションになりました。
そして岡田メソッドをバスケット用に書き換えていくうちにさらに私の目標は進化し、バスケットを体系化するだけじゃなくて
専門外の先生が部活動の顧問になっても、これだけでイチから良いチームを作ることができるというようなメソッドを作ろう
と考えるようになりました。そして岡田メソッドにあたるプレーモデルだけではなく、コーチングに対しても体系化をしました。
そしてコーチングの体系化を含む「バスケ版 岡田メソッド」がある程度形になってきたので効果して日本の指導者の方々の参考にしてもらおうと考え作ったのがこのCoaching Labです。
しかし本家岡田メソッドにも書かれているように、これが完成すると言うことはありません。常にアップデートしながら、そして目の前の選手にあわせてチューニングしながら日々変化していくものだと捉えています。
仮にこの私の作ったバスケ版岡田メソッドを『Nメソッド』と名付けましょう(笑)
是非『Nメソッド』を参考に、皆さんも自分のプレーモデルを作成し、自分のバスケと指導を体系化して選手に伝えてほしいと思います。
そうすることで、「バスケットが上手い」選手が日本にも増えると確信しています。
なにせ日本の指導者は熱心なんですから。
バスケ版 岡田メソッド『Nメソッド』
そして実際に私が作成したバスケ版 岡田メソッド『Nメソッド』がこのCoaching Labのメインコンテンツです。
『Nメソッド』は岡田メソッドのプレーモデルに加えて、コーチングの根幹に関わる【コーチングフィロソフィー】とドリルの作成などの【コーチング実践】も体系化しています。
その部分は、岡田メソッド以外に私が今まで多く学んできた内容から構成されていて、岡田メソッドよりもさらに発展している部分です。
その部分を加えることで、私の目標である「専門外の先生が部活動の顧問になっても、このCoaching Labだけでイチから良いチームを作ることができる」が達成できると考えています。
『Nメソッド』の概要はこちらから