#03-01-2_2バスケットボールのKPI
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#03プレーモデル:01バスケットボールの原則
②攻撃回数とシュートの期待値
- チームの得点はどうやって計算できるか
- バスケットボールのKPI ←Now
- チームの得点を計算するために用いられるスタッツ
02 攻撃回数とシュートの期待値
前回の記事で
【得点】=【シュートの回数】×【シュートの期待値】
で計算できることを確認しました。
前の記事はこちらです。
今回は、企業等でよく使用されるKPIについて解説します。
オフェンスの目的は得点すること
オフェンスの目的は得点することです。
もうお分かりのようにチームがたくさん得点をとるために必要なのは
です。これらが達成できれば必然的に得点が増加します。
KPIは【シュートの回数】と【シュートの期待値】
このような数値のことをKPI(Key Performance Indicator)と呼びます。
少し難しいかもしれませんが、ぼんやり感覚で分析するのではなく、データで分析することが「バスケットボールの競技特性上」重要なのです。
データで分析する上で、何が重要なデータなのかのヒエラルキー(階層性)を明確にすることが大切で、それが体系化ということなのです。
そのため、KGI・KPIといった言語化が重要になります。(このような用語を選手と共有する必要があるかはまた別の問題ですが)
- わかりにくい人のための、KGIとKPIの具体例
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もともとのビジネス界でもKGIとKPIはその違いがわかりにくいとよく言われています。少し具他例で説明します。
例えば、ある保険営業マンの月間の成約件数目標が10件だったとします。
すると、この保険営業マンにとって
KGI=月間成約件数10件
となります。
彼の営業データを分析してみると、アポをとって訪問案内をするとこれまで約5%の確率で成約に持ち込めるということがわかりました。
そうすると
成約件数=訪問回数×成約率
ですからKGIを達成するためには「アポイントを200件取れば良い」ということが導かれます。
つまり、彼にとって
KPI=月間アポイント200件
となるわけです。
KPIが達成されることによって、自動的にKGIが達成されているわけです。
ほかには、同じ保険の営業マンでも営業業態によっては月間の訪問件数に限りがある場合もあるでしょう。(例えば企業向けで、企業には1日2件しか回れないなど)
その場合は、アポイントの数を増加させることが難しいので、【成約率】を向上させることの方がより重要になります。
その場合は成約率の方がKPIとなるかと思います。
KPIはこちらの書籍がわかりやすいです。
チームのKPI数値を設定する
バスケットボールは得点をたくさん取れば勝つと書いてきました。
・・・嘘ですよね。そんなことは書いてきていません。読んだ瞬間に「ん?」と違和感を持った方は競技性をよく理解している方だと思います。
正しくは
バスケットボールは得点を相手よりたくさん取れば勝つ
ですね。ここがポイントで、40点しか取れなくても勝つ場合もあるし、80点とっても負ける場合もあります。
なので、自分のチームの特徴を考えてチームコンセプトから、何点取るゲームで勝つことを目指すのか、を設定し共有する必要があります。
身長が低くアウトサイドが得意で平面の1v1能力も高く攻撃力のあるチームならば、シュートの期待値はそこそこでシュート回数を多く目標設定して目標点数も高めにするのが良いかもしれません。
あまり能力の高い選手は多くないが、ビックマンがいてその選手を中心に組み立てるチームならば、シュート回数はむしろ減らすことを目標に(基本的に自チームのシュート回数が増えれば相手のシュート回数も増えハイスコアになる)して、ディレイゲームでゴール下のシュートを多く打って、シュートの期待値の目標を高く設定することになるかもしれません。
この部分がバスケットボールの醍醐味ですよね。チームの個性を活かしたゲームをして勝つ。
そのために【得点】、【シュートの回数】、【シュートの期待値】それぞれの目標数値をどのように設定するのかが重要になります。
それをしっかりとチームで共有して、数値目標でゲームを振り返るようにしましょう。
まず振り返るべきがKPIということです。
より細分化したものをKPIに設定することも
のちの章でも解説しますが、KPIはより細分化した値で設定した方が良い場合もあります。
例えば3ptが生命線になるようなチームだった場合は【シュートの期待値】ではなく、【3ptのFG%】がKPIになるかもしれません。
目標【3ptのFG%】が達成
→(ほぼ)自動的に目標【シュートの期待値】が達成
→(ほぼ)自動的に目標【得点】達成
というフローです。
大切なのは
- 最終的に【チームの得点】につながる効果的なKPIを設定する
- KPIで振り返る
ことです。
ざっくり雰囲気で振り返るのではなく、クリティカルなデータに着目して、数値で振り返りを行うことです。
そのためにKPIの設定が必要です。
私の失敗談
私は得点力が高くイケイケのチームを指導したことがほとんどないので、基本的に
「60点取って、50点代に押さえて勝つ」
というようなゲームを目指していました。そしてそれを選手に伝えていたことも多いです。
しかし、これはKGI(最終的な目標)のみを設定しているということです。
「60点取って、50点代に押さえて勝つ」
ためには一体何をしたら良いのかがわかりません。というか私自身がわかっていなかったのです。
- ペースを下げて走り合いをしない
- DF頑張る
くらいがせいぜいです。
なので振り返りも「DFが甘かった」とか「ミスが多かった」とかいったレベルの解像度のものしか出てきません。
60点取るためには何を具体的な目標にすれば良いのか
50点に抑えるためには何を具体的な目標にすれば良いのか
のKPIの設定がなかったのです。
これが達成されてないなら、なぜ達成できなかったか数字で振り返りが行えますし、達成できたのに勝てなかったとしたら、KPIの設定が間違っていたのか、他にもKPIが存在するかもしれません。それを検証していきます。
KPIという具体的な目標設定を行うから効果的な振り返りが行えるのです。