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チームの発展段階を示す「タックマンモデル」

Basket_IQ

タックマンモデルとは?

タックマンモデルとは、プロジェクトチームの発展段階を示すモデルです。

ブルース・タックマンによって提唱されました。

このモデルは、5つの段階からなります。

  1. 形成期(Forming)
  2. 混乱期(Storming)
  3. 統一期(Norming)
  4. 機能期(Performing)
  5. 解散期(Adjourning)

チームはこれらの段階を経て成熟し、目標を達成します。

多少呼び方が違ったりもしますが、意味合いは同じです。

場合によっては機能期までの4段階と解説しているものもあるようです。

各段階の特徴


タックマンモデルの各段階について説明します。

  1. 形成期(Forming
    • チームがまだ始まったばかりで、メンバーはお互いをよく知らない段階です。
    • メンバーは緊張感や照れくさい雰囲気を感じることがあり、目標や役割が不明確な場合があります。
    • この段階では、お互い本音では話せないので、表面上問題は起こりにくいです
  2. 混乱期(Storming)
    • チーム内での意見やアイデアの違いが浮き彫りになり、対立や衝突が起こりやすい時期です。
    • メンバーは自分たちの役割や期待について話し合い、チームの方向性を模索します。
    • チームに慣れ、本音で話し合えるようになった時期です。
  3. 統一期(Norming)
    • チームメンバーはお互いに適応し、共通のルールや価値観を確立し始めます。
    • コミュニケーションが円滑になり、協力的な雰囲気が広がります。
    • 混乱期を乗り越えて、チームの規律や役割の合意形成がなされて、目標やに向けて一つとなった状態です。
  4. 機能期(Performing)
    • チームが一つにまとまったため、チームは高い生産性を発揮し、協力して目標に向けて努力します
    • 役割分担が明確で、効果的なコミュニケーションと協力がチーム全体で見られます。
  5. 解散期(Adjourning)
    • チームが目標を達成したりプロジェクトが終了する際の段階です。
    • メンバーは新たな挑戦やプロジェクトに進む前に、チームの経験を振り返ります。
    • バスケットで言えば、最後の大会の前ですね。

各段階における指導の注意点

各段階におけるコーチの役割を、深堀りしていきましょう。

1. 形成期(Forming): チームの原点の確立

初期段階では、メンバーは互いに知り合っていないため、不安や遠慮が漂います。

コーチはアイスブレイク活動や共通の目標の確立を通じて、メンバー同士の結束を高め、信頼を構築します。特に、個々に期待することや役割にを明確に伝えるコミュニケーションが大切です。

  • アイスブレイク
  • 共通の目標の確立
  • 信頼の構築
  • 役割の明確化
  • コミュニケーション

2. 混乱期(Storming): 意見の衝突と成長

次の段階では、異なる意見やバックグラウンドが明らかになり、対立が発生しやすくなります。

コーチは対話を促進し、対立を建設的な形に導く役割を果たします。

共通のルールや行動規範を確立することで、チームの方向性を整え、成熟を促進します。

ここで大切なのは、混乱期が起こらないように指導するということがないようにすることです。

特に日本の指導者は、対立を避けたがる傾向にあり、混乱期が起こらないように事前に指導しがちです。

しかしそれでは、本音で話し合えるチームにならず、次の統一期へと進めなくなってしまい、結果的に最終的なパフォーマンスは低下してしまいます

混乱期を起こし、それを良い方向へ導くことが大切です。

  • 対立が生まれる
  • 共通のルールや行動規範を確立する
  • 本音で話し合える関係性になったということ
  • 混乱期を起こさないようには指導しない
  • 混乱期を乗り越えることが大切

3. 統一期(Norming): 共通の土台を築く

混乱期を乗り越え、チームに信頼が生まれ、チームが安定し、信頼関係が構築される段階です。

混乱期を抜けて、チームが統一された目標に向かって動き出した時期です。

この目標はあたれられたものではなく、混乱期を経て、一人ひとりが「自分の目標」として自分ごととなっていることが大切です。

コーチはポジティブな雰囲気を保ち、コミュニケーションの円滑さをサポートします。

目標のクリアな定義や個々人の役割の共有が、チームの協力体制を強化します。

  • 対立を経て、信頼が生まれる
  • チームが統一された目標に向かって動き出しす
  • ポジティブなコーチング
  • 円滑なコミュニケーション
  • 明確な役割

4. 機能期(Performing): 最高のパフォーマンスを追求する

機能期において、チームは最高の生産性を発揮します。

チームとして伸びる時期です。

コーチはメンバーをサポートし、フィードバックの文化を育てます。

チームが自律的に動き出しているため、コーチはティーチングの割合を減らしていけます。

ボトムアップ的にチームを運営していくことも可能になってきます。

成功体験を共有し、挑戦に前向きなエネルギーを注ぎ込むことで、チームのパフォーマンスを高めます。

  • 最高の生産性
  • コーチはサポート
  • フィードバックを与える
  • ティーチングを減らし、コーチングへ
  • ボトムアップ
  • 成功体験

5. 解散期(Adjourning): 集大成

チームの最後の大会前の時期です。

コーチはこれまでのことに感謝の意を示し、選手の成長を振り返ります。

コーチはそれぞれの選手が最後にどうすれば後悔なく満足して終えられるかにフォーカスしてコミュニケーションをとります。

選手がどうしたいが最も重要になります。

特にコンディションに気を使い、力を発揮できる状態にすることに注力します。

  • 一人ひとりが満足できる終わり方を意識
  • 力を伸ばすことよりも、力を発揮することにフォーカス
  • 選手がどうしたいかを尊重

まとめ


形成期(Forming)

チームの状態

  • チームがまだ始まったばかりで、メンバーはお互いをよく知らない段階です。
  • メンバーは緊張感や照れくさい雰囲気を感じることがあり、目標や役割が不明確な場合があります。
  • この段階では、お互い本音では話せないので、表面上問題は起こりにくいです

コーチの役割:

  • アイスブレイク活動や共通の目標の確立を通じて、メンバー同士の結束を高める。
  • メンバーの期待値や役割についてのクリアなコミュニケーションを確保する。
  • 不安や照れくさい雰囲気に対処し、オープンでポジティブな雰囲気を作り出す。

混乱期(Storming

チームの状態

  • チーム内での意見やアイデアの違いが浮き彫りになり、対立や衝突が起こりやすい時期です。
  • メンバーは自分たちの役割や期待について話し合い、チームの方向性を模索します。
  • チームに慣れ、本音で話し合えるようになった時期です。

コーチの役割:

  • 対話を促進し、メンバー間の意見の対立を建設的な形に導く。
  • 共通のルールや行動規範を確立して、チームの方向性を整える。
  • メンバーが対立によって生まれるストレスに対処し、解決策を見つけるプロセスをサポートする。

統一期(Norming

チームの状態

  • チームメンバーはお互いに適応し、共通のルールや価値観を確立し始めます。
  • コミュニケーションが円滑になり、協力的な雰囲気が広がります。
  • 混乱期を乗り越えて、チームの規律や役割の合意形成がなされて、目標やに向けて一つとなった状態です。

コーチの役割:

  • ポジティブな雰囲気を保ち、信頼関係を構築する。
  • コミュニケーションの円滑さをサポートし、メンバーが安心してアイデアを共有できる環境を作り出す。
  • 目標のクリアな定義や期待値の共有を通じて、協力体制を強化する。

機能期(Performing)

チームの状態

  • チームが一つにまとまったため、チームは高い生産性を発揮し、協力して目標に向けて努力します
  • 役割分担が明確で、効果的なコミュニケーションと協力がチーム全体で見られます。

コーチの役割:

  • メンバーの最高のパフォーマンスを引き出すためにサポートする。
  • フィードバックの文化を育て、メンバー同士がお互いに学び合える環境を促進する。
  • 成功体験を共有し、ポジティブなエネルギーを維持する。

解散期(Adjourning

チームの状態

  • チームが目標を達成したりプロジェクトが終了する際の段階です。
  • メンバーは新たな挑戦やプロジェクトに進む前に、チームの経験を振り返ります。
  • バスケットで言えば、最後の大会の前。

コーチの役割

  • 選手に感謝の意を示す。
  • 一人ひとりが満足できる終わり方を意識
  • 力を発揮することにフォーカス
  • 選手がどうしたいかを尊重

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スタンフォード女子の試合と『岡田メソッド』に衝撃を受けてPrinceton offenseとバスケットボールの体系化を極めるために日々勉強中
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