#03プレーモデルとは?
プレーモデルとは、試合の局面やコートのエリアにおけるプレー原則を言語化し体系化したものです。チームとしての共通理解を持ち、選手間のコミュニケーションをとるために必要なものです。
プレーモデルを作成することで、ただ単に戦術やスキルの羅列を指導するのではなく、抽象的な考え方から具体論へとヒエラルキーをつけ、さらに同じ局面でもしっかりとプレーの優先順位をつけ体系化して指導することができます。
JBAも「ゲームモデル」という呼び方で整理して伝達していますね。
なぜプレーモデルが必要なのか
私のミッションは「バスケットボールが上手(バスケIQの高い)選手を育成する」ことです。
そのためには、個々のスキルや戦術を教え込むだけではなく、バスケットボールの本質を体系的に理解する必要があると考えました。
バスケットボールの本質を体系化=プレーモデル
です。
体系化についての私の考えはこちらに書きました。
パターンを教えると無限に教えることがある
私の指導を振り返っても、「〇〇のときは◇◇」というようなパターンの指導ばかりしていました。
しかし複雑系であるバスケットボールの試合では、全く同じケースというのはほとんどなく、ある意味「例外ばかり」です。
ですので、その例外をもパターン化して教えなくてはいけません。
そうしえいくパターンは無限にあることになり、プレーの解像度の低い育成年代の選手は、私達指導者にとっては別のケースでも別のケースだとは認識できず、単に「矛盾したことを教えられている」と感じます。
そのような場面が多くなると、チームがうまくいかないのは目に見えています。
そうならないための解決方法がプレーモデルなのです。
プレーのパターンの指導の前に、バスケの本質的な原則を指導し共有します。
それがしっかりできていれば、「例外」の判断が選手ができるようになりますし、パターンは無限に増えていくことがないのです。
岡田メソッド
プレーモデルは元々はサッカー界のメソッドです。スペインで発展した考え方のようです。
それを日本版に書き換えて出版された元日本代表監督の岡田武史の著作『岡田メソッド』が最もわかりやすいプレーモデルの書籍だと思います。
プレーモデルに興味のある方は『岡田メソッド』をお読みになられることをおすすめ。します。
JBAが作成しているものも、岡田メソッドを参考に作られています(会見で恩塚氏がそう発言しています)が、公表・伝達しているものは岡田メソッドの中のごく一部です。
ですので、私はJBAを待たずして『岡田メソッド』を元に、すべてのプレーモデルを作成しようと考えました。
私が作成したプレーモデル『Nメソッド』
私は『岡田メソッド』を元にバスケットボール版に書き換えたもの原型にしてプレーモデルを作成しました。
さらに、コーチングの関する体系化も含めて仮に『Nメソッド』としています。
『Nメソッド』のプレーモデルは8章
『Nメソッド』は4つの分野に分かれていますが、その1分野がプレーモデルで『Nメソッド』のプレーモデルは8章で構成されています。
完成することはないので、今後変化していく可能性はあります。
抽象から具体へ。プレーモデルの活用方法
プレーモデルの章の流れは、一般的・抽象的な考え方から整理して、章が進むにつれて具体性が増していきます。
ここの戦術スキルのみを指導するのではなく、抽象的な大枠から整理して共通認識を持っていくというのがプレーモデルの大きな意味になります。
プレーモデルを実際にどう指導に活かすかは、こちらの記事で
みなさんのプレーモデルを作る
『Nメソッド』は正解を示しているものではありません。
そして、かなり網羅的です。自分のバスケットボール観を全て書き出し、バスケットボール指導について日本一のサイトにしようと考えたからです。
そしてこれは現在の私の考え方を示すものであり、そしてそれは私がバスケットボールに関わっている限り更新されていきます。
ここに書かれている内容を全て指導に落とし込んで実践するというのは時間的にも無理でしょう。
大切なことは、みなさんがみなさん自身のプレーモデルを作成することです。
その叩き台として『Nメソッド』を参考にしていただければと考えています。
みなさんとプレーモデルについて「あーでもないこーでもない」と議論できればそれは私にとって幸せなことです。
『Nメソッド』のプレーモデル
『Nメソッド』のプレーモデルはこちらからどうぞ