#03-01-4_2 相手のターンオーバーを増やす
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#03プレーモデル:01バスケットボールの原則
01-4 相手のシュート本数を減らす
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相手チームのシュート本数を減らすためは【OR】を減らす・【TOV】を増やすことが大切であると説明してきました。
01-4_2 相手のターンオーバーを増やす
今回は相手の【TOV】を増やすためのプレーモデルを整理します。
ここは指導者の考え方がプレーモデルに色濃く反映される部分かもしれませんね。
TOVを誘発させるDF(トラップ・プレッシャー)が必要だと考える理由
TOVを増やすDFをするのではなく、固く守って相手のシュートの期待値を下げる方にフォーカスするという考え方の指導者の方も多いかもしれません。
私は、ある程度TOVを誘発させるようなDFをしっかり練習しておくことはどのチームにとっても大切だと考えています。
その理由は3つです
- 相手のOFのリズムがよくなってしまう
- TOV後はイージーバスケットのつながりやすい
- 逆転が難しくなる
- プレッシャーリリースの練習ができなくなる
OFはボールを取られる怖さがないと、自分たちがやりたいことを遂行できるのでリズムが良くなります。
そうすると常にOFが先手を取っている状態になってしまいます。
DFはある程度、「OFにやりたいことをやらせない」ことが必要だと考えています。
相手がTOVをしたときは、こちらはイージーバスケット(簡単な2点)につながるケースも多いです。
つまり相手のTOVは単に相手のシュート本数を減らすということだけにとどまらず、こちらが期待値の高いシュートを打つことにも直接的に関わるということです。
それこそ4点分の価値があると言えます。
トラップDF的なTOVを誘うDFを持っていないと試合をひっくり返すことが難しいと考えています。
負けている試合の流れを変えて逆転するためにはトラップDFが最も有効な手段です。
自分たちがプレッシャーDFができないと、練習でプレッシャーDFに対するOF【プレッシャーリリース】の練習ができなくなってしまい、自分たちが試合で相手のトラップにハマりTOVを増加させてしまうということにつながります。
以上が私がTOVを誘発させるようなDFが必要だと考える理由です。
相手のターンオーバーを増やすためのプレーモデル
次はプレーモデルを見ていきます。
プレーモデルは2つです
- OFにプレッシャーをかける
- チームで仕掛ける場面を作る
中身を見ていきましょう
① OFにプレッシャーをかける
一つ目は「OFにプレッシャーをかける」です。
ここで”プレッシャー”の意味を定義しておきます。
プレーモデルを作成すると同時にそこで選手と共有する言葉をしっかり定義しておくことは大切です。
皆さんはバスケットボールの”プレッシャー”をどのような意味で使っておられますか?
私は以下に定義しています。
「距離を詰める」ということをプレッシャーをかけることと考えている人もいますが、私の定義はそうではありません。
たとえ密着していても相手が「ボールを失いそう」と感じていなければ、それはプレッシャーがかかっているとは(私は)言いません。
逆に相手との間合いが開いていても、絶妙なタイミングのハンドワークでスナップしてくるようなDFができれば「プレッシャーをかける」ことが出来ていると考えています。
ですので、この定義では駆け引きやバスケットIQの高さがプレッシャーをかけるためには非常に重要だと言えます。
ですので、しっかりとプレッシャーがかけられていないということは、相手側はボールロスト(=TOV)の心配がないということになるので、基本的にTOVは単純な相手のミスによるものだけということになります。
そうなると、なかなか相手のTOVを増やすことはできません。
ゲームを振り返るときに、相手にプレッシャーを感じさせるようなDFが出来ているかどうかをチェックしましょう。
では、具体的にどうやってチームとしてプレッシャーをかけるのか、という戦術の部分は【02サイクルでの原則】以下のより下位の章で体系化していくということになります。
② チームで仕掛ける場面を作る
次の原則は「チームで仕掛ける場面を作る」です。
いわゆる”トラップDF”だと思ってもらえば良いです。
相手のTOVを誘発しようと思ったら、ただプレッシャーをかけるだけでは不十分で、「トラップを仕掛ける=DFが能動的に主導権を握る」シーンが必要だと考えています。
バスケットボールの構造上、OFに主導権がありDFは受動的になります。
そこを逆転させて、DFが能動的に主導権を握る場面を作ることがDFでは大切だと考えています。
そういったシーンがゲーム中に作れているかどうか、をしっかりと確認しましょう。
これもどんなシチュエーションで、どうやってトラップを仕掛けるかという戦術は下位の章で体系化していきます。