#03-01-6_1 ボールとリングを全員で守る
プレーモデル一覧のページ
ここまで自分たちのシュートの期待値を上げるための原則を体系化してきました。
この章はDF側に移ります。
DFはOFと表裏一体ですから、OFのことが理解できていれば、それを防ぐための方法は自ずと出てくるでしょう。
相手のシュートの期待値を下げるDFの原則は次のものです
- ボールとリングを全員で守る ←Now
- 守るべき優先順位
- アドバンテージを作らせない
チームでボールとリングを守ることで、期待値の高いシュートを打たせない
まずは、守備に優先順位をつけることです。
最も大切なことは、当たり前ですが、相手の得点を防ぐということになります。
すなわち
相手の得点を防ぐ=相手のシュートを防ぐ
ということになります。
シュートはボールを持っている人しか打てません。
オフェンスはできるだけリングに近い場所でシュートを打とうとプレーしてきます。
つまり、シュートを防ごうと考えるとまずは、全員がボールとリングを守る意識を持つということが大切だということが導かれます。
以上のことから次のプレーモデルが導かれます。
ボールとリングを全員で守るプレーモデル
チームでボールとリングを守ることで、期待値の高いシュートを打たせない
- ボールを視野に入れる・ボールに寄る・リングに寄る
- ボールを視野に入れる
- Jump to the ball(マグネット)
① ボールを視野に入れる
ボールを守るならば、必ずボールを視野に入れておかなければなりません。
特にマンツーマンでは、ある一定レベルに達するまでは
自分のマークマン>ボール
の優先順位で視野に入れてしまいます。
もちろん基本として「マークマンとボールマン両方が視野に入る位置」が大切ですが、どちらが重要かと言われたら、私はボールマンだと考えています。
まず、ボールを常に視野に入れる習慣を指導しましょう。
ボールとマークマンを両方視野に入れられない場合の処理
プレーモデルからは少し離れて、テクニック的な話です。
ボールとマークマンの両方を視野に入れられない場合も当然あります。
OFは、どこでそう言う状況を生み出せるのかを理解し、【ポジショニングの戦い】と【視野の戦い】を仕掛けるのが大切でした。
さて、具体的にみていきましょう。
具体的にはOFがゴール下にいるケースです。
X2は両方が視野に入る位置まで、下がってしまうと、すぐにパスが入ってしまうのでポジションを上げざるを得ず、両方視野に入れることは困難です。
ではこのようなときどうするかというと
ボールマンを見て、マークマンは触っておく
ことがコツです。
情報収集のほとんど(7割)は視覚からですが、視覚で捉えられない場合は、触覚と聴覚で補います。
これは触覚を使いケースです。触れておくことで位置を把握し、相手が動いたら、一瞬首を振ってマークマンを捉えます。
3秒バイオレーションがあるので、そんなに長い間この場所にとどまることはできませんから、これで十分把握できます。
このケースで触覚を使えない選手は常に首を振りながら相手を確認することになってしまいます。
この触覚を使うと言うのは非常に大切なのですが、使える選手は少ないですし、指導もほとんどされていないと思います。
② Jump to the ball(マグネット)
次にボールとリングを守るために重要なのが「Jump to the ball」です。
言いやすく「マグネット」と読んだりもします。
ボールが動いたらその瞬間にボールへジャンプする。それがJump to the ballです。
例えばボールマンのDF(1線)から3線のDFに移動する場合などは、ジャンプでは足りず、基本的にはスプリントします。
そのため、Jump to the ballという言葉自体が誤解を与えるケースも多いので「マグネット」という言葉を好んで使う指導者もおられると思います。
Jump to the ballが全員しっかりできるようになれば、それだけでそれなりに強いDFになります。
最も一般的なのはシェルDFドリルですね。アンダーカテゴリーでは特に重要な練習です。
福岡第一の井手口HCのクリニックを受けた際には、「シェルは毎日やる」「ウチの練習はシェルばっかり」とおっしゃっていました。
まとめ
- ボールを視野に入れる・ボールに寄る・リングに寄る
- ボールを視野に入れる
- Jump to the ball(マグネット)
- シュートはボールを持っている人しか打てない。
- オフェンスはできるだけリングに近い場所でシュートを打とうとプレーする。
- つまり、シュートを防ごうと考えるとまずは、全員がボールとリングを守る意識を持つということが大切。