#03-02-1_2 オフェンスリバウンドに参加する
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チームでORに参加するとともに、切り替えで優位性を作らせない
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エンドオブOFの2つ目の原則は「チームでORに参加する」です。
ここでのプレーの目的は
ORに参加しながら、トランジションDFの準備をする
ということになります。
このエンドオブOFのサイクルで非常に大切なことは、前回も書きましたが、ただ単にガンガンORにいけば良いというわけではなく、ORに行きながらも相手ボールになった瞬間にはすでに良いトランジションDFのポジションを占めている必要があるということです。
この一見、相矛盾することを同時にチームで行うところにこのサイクルの難しさがあります。
この部分は非常に大切なことですので、しっかりと頭に入れておきましょう。
チームでORに参加するプレーモデルは
ORに参加しながら、トランジションDFの準備をする
- ORの参加人数を増やす
- ORに3人参加する
- ORが取りやすい位置に入る
- シュートの逆サイド
- ミドルライン側から
- 相手を押し込む
- ORに参加しやすいタイミングでシュートを打つ
- チームのタイミングで打つ
- 逆オーバーナンバーでは打たない
ORの基本戦術:タグアップ
オフェンスリバウンド(OR)のプレーモデルに関しては、【バスケットボールの原則】において、すでに同様に体系化していますので繰り返しになる部分もあります。
① ORの参加人数を増やす
まずは、ORに参加しないことにはORは取れません。
ORには常に3人参加することを一つの指標にしましょう。
しかし、「ORに3人いけ」と指示するだけではきっとそれは達成できないでしょう。
大切なことはORに参加するプレーモデルを示すことです。
「ORに行け!」
と試合中に叫んでも、なかなか選手はできません。指導者がやらなければいけないことは
- プレーモデル(やるべき行動を具体的に体系化・マニュアル化して)示す
- 練習に落とし込んで習慣化する
と言うことです。私が思うに、リバウンドの技術は練習していないチームが多いです。それなのに試合中に「リバウンドだと言ってるだろ!」と叫んでも意味がないのです。
UConnの女子はORを徹底しているチームの一つです。
② ORが取りやすい位置に入る
統計的にORが取りやすい位置は以下の3つです
- シュートの逆サイド
- ミドルライン側
- 相手を押し込む(相手の前に入らない)
ORの約7割はサイドに落ちると言われています。
そのため、シュート逆サイドのプレイヤーがリバウンドに入ることが重要です。
高い位置にいるプレイヤーとシュートサイドにいるプレイヤーがセーフティに入るのが良いでしょう。
ORは必ずミドルライン側から入ります。
理由は2点です
- 次に速攻を出されないため
- リバウンドは真ん中90度に落ちる可能性が高いから
これまでにも書いたように、ORの入り方はトランジションDFとも繋がっていますので、DF内側OF外側という位置関係に必ずなっていないといけません。
でなければ、次のDFで速攻を出されてしまいます。
もう一つは、そもそもリバウンド自体内側に落ちる可能性が高いです。バックボードがあるためです。
以上のことから、ORには必ずミドルライン側から入るように指導します。
DRでシュートが落ちやすいエリアに位置しなかったために取られてしまったケース
入り方を指導することで、自動化することができます。
必ずDF内側OF外側という位置関係にすると書きました。
であれば、基本的にリバウンドを争っている二人よりも内側にボールが落ちればDFリバウンド、外側に落ちればOFリバウンドが取れるということです。
なので外側の範囲を広げるために、OFは頑張ってDFを内側に押し込みます。
DFが元々内側にいる以上、それよりも内側に入ってしまうと、内側のエリアが日以上に狭くなってしまい、結局取れるリバウンドは少なくなってしまいます。
DFリバウンドのボックスアウトと同じ感覚でDFよりも内側のポジションをとってスクリーンアウトする選手がいるので注意が必要です。
繰り返しますが、その場合、ORが取れなかったときに失点のリスクが激増します。
ORは必ず取なければならないわけではないですが、速攻は必ず防がなくてはいけません。
優先順位としては
速攻を出されない>ORを取る確率を上げる
です。
これは後ほど紹介するタグアップの基本的な大前提の考え方です。
スクリーンアウトを内側に押し込み、自分が取れる背後のエリアを広げます
③ ORに参加しやすいタイミングでシュートを打つ
ORに参加しやすいタイミングの原則は以下の2つです
- チームのタイミングでシュートを打つ
- 逆オーバーナンバーで打たない
リバウンドを意識したシュートセレクションが大切です。
シュートセレクションは
タフショットを打たずに”期待値の高いシュート”を打つ
が最も大切なことですが、次に考えたいことが今回の原則である
チームのタイミングでシュートを打つ
です。
シュートはチームのタイミングで打うことを基本的な共通認識とします。
では、チームのタイミングとは何か?
ということは、あらかじめチームで合意形成しておく必要があります。そのためにもフリーオフェンスではなくモーションオフェンスを採用するのが有効です。
チームのタイミングでシュートを打たなければ、ただ単にORに入れないというだけではなく、シューター以外が準備なくエンドオブOFに移行してしまうために、相手に速攻を出される可能性が高くなってしまいます。
トランジションDFの準備ができないという意味で、見た目以上に悪いプレーと考えています。
自分のタイミングだけで打ってしまうプレイヤーは、そもそも「何が悪いかわかっていない」プレイヤーが多いので改善するのは非常に大変ですが、期待値やリバウンドの大切さを【バスケットボールの原則】を時間をかけて共有し徐々に意識を変えていくしかないのかなと思っています。
(本当にそうかはわかりませんが)セレクションが悪くてTaraHCにブチギレられる
トランジション局面が終わり、チームとしてはハーフコートオフェンスに移行しいてクリエイトしようとしているタイミングで、期待値の低いスッテップバック3ptを打ってしまい、リバウンドに行けていません。
さらにエアボールになり、TaraHCはブチギレていますw
特にトランジションの局面でのことになりますが、DFの人数がOFの人数より多い(=逆オーバーナンバー)で打ってしまうと必然的にORに人数をかけることができないので、シュートセレクションとして逆オーバーナンバーでは打たないようにしましょう。
ただし、優位性のあるゴール下などかなり期待値の高い状況の場合は当然打って良いと思います。
ORの基本戦術:タグアップ
エンドオブOFの局面で大切な
- ORに入る
- トランジションDFの準備
が同時に行える戦術として、私が採用しているのがタグアップです。
タグアップをプレーモデルにしていれば、選手はDFに目がけてシールしにいくイメージを持てば良いのでやることが明確になります。
繰り返しになりますが、大切なのは目的と原則です。
戦術であるタグアップだけを指導しても結果的には上手くいかないでしょう。
目的と原則(=プレーモデル)を共有してそれらを達成する戦術としてタグアップがあるという順番での指導ができると、選手が場面場面でプレーモデルを根拠に判断できるようになります。(例えばタグアップしないでハリバックした方がいい場面など)
まとめ
ORに参加しながら、トランジションDFの準備をする
- ORの参加人数を増やす
- ORに3人参加する
- ORが取りやすい位置に入る
- シュートの逆サイド
- ミドルライン側から
- 相手を押し込む
- ORに参加しやすいタイミングでシュートを打つ
- チームのタイミングで打つ
- 逆オーバーナンバーでは打たない
ORの基本戦術:タグアップ
- ORに行きながらも、相手ボールになった瞬間にはすでに良いトランジションDFのポジションを占めている必要がある
- 速攻を出されない>ORを取る確率を上げる
- 「ORに行け!」だけでなく、「行き方」を体系的にを示す
- これらを網羅した戦術がタグアップ
- 練習で習慣化する
- かわしてORに入るのではなく、上からスクリーンアウトを押し込んでくイメージでリバウンドに入る
- シューセレクションは、次のトランジションDFにも影響する